メールは収益性の高いマーケティングツールの一つ。企業アカウントを担うマーケターにとって、メールマーケティングの指標を知ることはとても重要です。メールマーケティングと聞くと、一昔前のマーケティングツールというイメージを持っていませんか?「時代はSNSに変わった。メールは古い。」そんな印象を持つ方も多いかもしれません。2022年現在、世界のFacebook推定アカウント数は約28.5億。WhatsAppは約20億、Instagramは約13億。非常に勢いを持っています。しかし、メールユーザーの総数は41.4億!利用者の数が圧倒的に違うんです。統計で数字を比較すると、メールは未だ主流のマーケティングツールだとわかりますね。あなたの身の回りでも、SNSアカウントを持たない人はいますが、メールを使っていないという人は少ないのではないでしょうか。多くの人にリーチできるという点では、メールが一番有力なのです。メールマーケティングに関する統計情報を知ることで、SNSマーケティングとの違いや使い分けを理解し、自社のマーケティング戦略に役立てることができます。ここでは、2023年現在のメールマーケティング統計データを解説とメールマーケティングの重要性と活用方法を説明致します。目次:基本のメールマーケティング統計詳細なメールマーケティング統計・電子メールユーザーについての統計・メールに費やした時間についての統計・メール開封率についての統計・スパムメールについての統計・メールマーケティングについての統計・メールコンテンツについての統計よくある質問まとめ■基本のメールマーケティング統計知っておきたい基本統計情報をまとめました。セグメントを絞ってメールキャンペーンを行うことで、収益を760%増加させることができます。2019年に配信された全メールのうち、5分の1はスパムメールでした。87%のB2B企業は、電子メールを最良のマーケティング手法とみなしています。マーケティングメールの82%は、件名に60文字以下しか含まれていません。1日あたり1090億通のスパムメールが送信されています。メールマーケティングは、Twitterの6倍の効果があります。■詳細なメールマーケティング統計・電子メールユーザーについての統計■2021年の電子メールユーザー数は41.4億!2020年は約40.3億でした。世界トップのソーシャルメディアチャネルであるFacebookでも、アクティブユーザーは28億人。メールが多くのユーザーに活用されていることが分かります。とある統計では、メールマガジンの購読者数は、FacebookやTwitterといったSNSユーザー数の約3倍です。専門家は、今後数年間で電子メールの年間成長率が3%になると予測しています。メールが以前として高い効果を持っていることは、統計からも見えてきますね。・受信メールについての統計■メールマーケティングが顧客獲得に与える影響B2Cビジネスモデルを通じて、マーケティングメールから直接商品を購入する顧客は、通常の顧客よりも支出額が138%多いことがわかっています。また、全顧客の59%が、メールマーケティングが買い物に影響を与えると回答しています。メールマーケティングを行うことで、顧客維持率80%を継続することができます。・メールに費やした時間についての統計■1日に6時間メールを使用25〜40歳の人は、メールを頻繁にチェックします。69%の人がテレビを見ながらメールをチェックし、79%が休暇中でもメールをチェックしています。平均的な人は、1日に15回メールをチェックしていると言われています。■月曜日、週末、及び深夜のメール送信は少ない夜間よりも日中にメールを送信する人が多いです。58%の人は、目が覚めた直後の朝にメールをチェックします。したがって、電子メールは午前中に送信される事が多いです。月曜日は就業週の始まりです。メールを見過ごされる割合が高いので、避けた方が良いでしょう。同様に、週末はメール開封率が低くなります。また、火曜日の早朝と就寝前の夜に配信される電子メールは、他の曜日・時間帯よりも開封率が高くなります。メールを送る際の参考にしてください。・メール開封率についての統計■開封率は56%増加ほとんどのメールは、スパムメールだと思われて、開封されません。しかし、専門家によると、人は適切な件名を含む電子メールを開く傾向にあります。件名には、メールの内容全体を表す情報を記載する必要があります。■18.9%のEメールは金曜日に開封されています調査によると、金曜日にメールを開封することを好む人が18.9%と多いため、メールマーケターにとって最高の日です。一方、土曜日はメールの開封率が最も低く17%です。■22%のB2Bマーケティングクリック開封率調査によると、B2Bビジネスの79%は、B2Cビジネスよりも成功するツールとして電子メールを使用しています。59%のB2Bは、電子メールが最も使用されているマーケティングツールだと考えています。77%のB2Bは定期的にニュースレターで連絡を取り合い、信頼を確保しています。■開封率を50%減少させる件名メールの件名には注意が必要です。開封率を上げることもあれば、ブランドに悪影響を与えることもあります。調査によると、メールの件名に「寄付」といった単語が含まれている場合、メール開封率が下がることが分かっています。したがってブランドは、件名に適切なキーワードを見つけるために市場調査する必要があります。・スパムメールについての統計■1億通のスパムが毎日ブロックされています1日に1090億通のスパムメールが送信されていて、2021年の統計によると日本は2%のスパムメールを生成しています。そのうち、1億通のスパムが毎日ブロックされているので、開封前に削除されてしまうことが多いです。では、削除されないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?実は、件名を 工夫することで、メールマーケティングの成功率を26%改善できます。「!!!」「注意」「100オファー」「完全無料」などの件名のメールは、開封前に削除される可能性が高いです。メールの件名は、短く意味のあるものにする必要があります。無意味な文言は入れず、ターゲットに必要な情報を簡潔にまとめるように心がけましょう。・メールマーケティングについての統計■4200%の投資収益率電子メールを活用したマーケティングの投資収益率は、なんと4200%という調査結果があります。10万円の予算をかけると、400〜420万円の売上効果が見込めることになります。ウェブマーケティングの獲得収益のうち25%が、Eメールマーケティングから生み出されています。オーガニックの電子メールマーケティングは、WEB広告の活用などと比較すると、費用が安く抑えられます。コスパフォーマンスの意味でも効果が高い手法です。■メールセグメンテーションにより、760%の収益成長が見込めますEメールマーケティングの最大のメリットは、ターゲットのセグメント(分類)が可能な点です。年齢、性別、場所、購入履歴、チェックされたサイトページ、エンゲージメントアクティビティなどの特定のパラメータに基づいて顧客を整理することができます。ターゲットに合わせたメールマーケティングの活用で、760%という高い収益成長が達成できます。■注文確認メールのコンバージョンは55%です顧客が何かを購入するたびに、企業が顧客に、注文内容の確認メールを送信します。確認メールの開封率は46%。開封から企業HPへのコンバージョン(CVR)は55%です。注文確認メールを送ることで、定期的にサイトを訪れて商品を購入するリピーターになってくれる可能性が高いです。■電子メールの自動化による収益が320%増加約55%の企業が、自動化された電子メールによるマーケティングを行なっています。自動化とリストのセグメンテーションおよびパーソナライズを組み合わせる事で、高い効果を得られます。ショッピングカートを放置した顧客に対して、通知メールを送信したEコマースサイトの受注成功率は、メールを送信しなかった企業の2.4倍です。■ブランドの80%は、メールマーケティングが顧客維持率を高めると回答していますメールマーケティングは既存の顧客に対して、新しい顧客よりも60%効果的に商品・サービスを販売できます。顧客維持は、新規顧客の獲得と同じぐらい必要です。顧客がブランドを信頼すると、マーケティング戦略を行わなくても、自然とリピートに繋がります。既存顧客と比較すると、新規顧客への販売成功率は20%以下です。■ダイレクトメールのROIは7%、電子メールのROIは28.5%ですブランドの87%は、Eメールマーケティングにより投資すると回答しました。電子メールからのROIは、ソーシャルメディア経由よりも175%高くなっています。自動メールのコンバージョン率は、直接メールの180%以上です。・メールコンテンツについての統計■42.3%の人がメールを削除しますほとんどの電子メールは携帯電話から閲覧されています。スマホ画面で見やすい画面設計にすることが重要です。統計に基づくと、ビジネス用メールの5分の1はスマホ向けに最適化されていません。デザインやレイアウトがスマホと互換性がない場合、人はコンテンツを読む前にメールを削除してしまいます。■プロモーションメールの成功率は60%すでに企業・ブランドのメールマガジンを受信している顧客は、メール経由で商品を購入する傾向にあります。ブランドが顧客の需要にあったプロモーションメールを提供した場合、60%の確率で購買に結び付きます。■43%がニーズのないコンテンツのため退会メールマーケティング戦略を作成する際、コンテンツは顧客のニーズにきちんと合致し、関連しているかを考慮する必要があります。ブランドがニーズのないメールを配信した場合、顧客の59%がオプトアウトし、不満を抱くことが分かっています。また、顧客の43%が、興味のないマーケティングメールをブロックしています。■よくある質問Q. どの分野のメールが最もリーチが高いですか?専門家や芸術家、技術者などが発信する、専門性の高い情報が載った電子メールは、34.4%の開封率で最もリーチがあります。次点は教育関連のプロモーションで開封率は34%。旅行と観光は32%です。Q. 不明な送信元からの電子メールの開封率は?殆ど開かれずに削除されるかスパムに移動されます。2022年の統計によると、ユーザーの45%は、不明の送信元からのメールをチェックしません。Q. GIFの追加は効果がありますか?電子メール内にGIF等の動画コンテンツを使用することは、コンバージョンを高める優れた手法です。写真や短い動画を使用して、自社の商品やサービスを顧客にアピールできます。ただし、顧客が弱いネットワークからメールをチェックすると、マルチメディア投稿が開けず、悪い印象を残してしまうリスクがあります。開くのに大量のデータを必要としないものを使用するようにしましょう。Q. メールの開封率を上げるには?最良の方法は、件名を工夫することです。件名は短く、独創的で、メールの内容に関連している必要があります。件名には絵文字を使用することもでき、目に留まる可能性が高まりますが、使いすぎると邪魔に感じられたり、本来使えたい情報が伝わらない可能性もあるので、適度な配分を心がけましょう。定期的にメールを配信している場合は、複数の件名でメールを配信し、どの件名の開封率が高いかを検証するのがお勧めです。Q. メールマーケティングに必要な費用は?商品と市場によって異なりますが、一般的には、WEBマーケティング予算の約20%がメールマーケティングに使用されているようです。また、メールマーケティング予算が16%以下になるケースは非常に少ないようです。もし16%以下の予算しか使っていない場合は、費用の配分を見直す必要があるかもしれません。■まとめこれらのメールマーケティング統計から、メールは多くのユーザーに利用されており、マーケティングの核となるプラットフォームであることが分かりました。メールマーケティングを有効に使うことで、自社ブランドのコンバージョンを高め、多くの既存顧客を囲い込むことができます。コストパフォーマンスに優れたメールマーケティングを自社の戦略に活用してください。